Root is One 〜歌うギタリスト達の宴〜@今池TOKUZO

今池得三
大変お恥ずかしい話だけれども、あたくしはライブを楽しみにすればするほど、そのライブが近づくと血の気が引いて胃の活動が停止してしまうのですよね。これはもう結構昔からの私の仕様らしい。だもんでホットミルクなんていう優しさでできた飲み物で気を落ち着かせようとするんだけど、全く効果無し。
ちょうど開演10分前に東京からスキュ氏がいらしてね、「本当に来ちゃったすごい!」と喜び勇んだのも束の間、続くマスオさんの登場には本当にびっくり。彼の登場については驚きが半分「なんで名古屋に来てまで貴様の面を拝まなければならんのだ。」といった腹立たしい感覚が半分。ほんとびっくり。悪い意味でのミラクル、悪い意味でバカ。
彼の脳漿をブチ撒けることは東京に戻ってからいつでもできるけど(※後日実施済み)GUIROのライブは今この瞬間だけ!と気持ちを無理やり切り替えてみる。しかし意図せず緊張感が解けてしまったこの状況は腑に落ちない。マスオさん、あなたの罪は重くてよ。
結局東京のGUIROライブを見に行った4人が名古屋でも見事大集結。いやー、あたくしの人間関係、今更ながら一癖二癖ある子ばかりだとしみじみ。

GUIRO

約1ヶ月ぶりのGUIROせんせい…、たかくら氏があれから更に髪が伸びていたらどうするんだろうと思っていたけれど、おや?と思った次の瞬間「女の子じゃん…。」と隣でdouzさんが呟く声が耳に入る。可愛らしいまとめ髪がしっくりくるその容姿に改めて世間一般の「オッサン」の概念が打ち崩される。「新世界より」よろしく自ら長い髪をふわりとなびかせるおつもりか。(ものっそ勝手な解釈)
そして5人目としてそこにいるのが当たり前のようにステージ上に佇むEttの西本さゆりさん。いやー、びっくりしたー思わず「ええー!」と声を上げそうになってしまった。大阪のライブではGUIROよりも大きな声援を浴びて登場した彼女(ようするにスペサルゲスト)、名古屋でのライブは彼女がいるのは当たり前なのか…、今更ながら彼らのホームはやっぱりこの地なんだなぁと納得。

背筋がピリリとするような緊張感に、姿勢を正してステージに視線を向ける。某所にて「ライブは約40分を予定」との記載があったので、MC含めたら5曲前後になるのかな?とある程度覚悟していたんだけど、大須でのライブ告知、松石ゲルさんのザ・シロップの新譜の告知という必要最低限の内容で留め(と言っても巧みなMCで客席を大爆発させるバンドで無いのは百も承知だけど)、蓋を開けてみればあれかしの歌、ファソラティ、山猫、新世界より、墜落(追憶??)、ラガジゲ、ハッシャバイ、日曜日のチポラと、8曲もの楽曲を耳にすることができた。
今日は特に山猫が素晴らしくて(いつもすごいけど!)うわぁぁぁあとなったり…ってこの「うわぁぁぁ」の部分こそ文章で表現ができたらどんなにいいことか…、ラガジゲではウキウキしすぎて途中で「ええい!躍らせろ!」と立ち上がりたくなってしまったけど、これをするにはお酒の量が圧倒的に足りないんだよね。座ってみるのも楽しいけれど、大阪のときのように立ってみたときもとても楽しかったし、どっちもいけるっていうのはいいなと思う。
立つ…といえば、立ったままギターを弾くたかくら氏は初めてお目にかかったけれど、id:uehraさんですら「初めて見た」と書いているのだから、そりゃ私が初めて見るのは当たり前だよなぁと。でもね美人にはどんどん立ってもらって、お客さんは音楽だけでなくて眺めて楽しむって要素もすごく大事だと思うのよね。個人的にはこれからもどんどんこのサービスはお願いしたいところだけど、きっとそう思っているのは私だけではないはず。
しっかしGUIROのライブの緊張感はたまらんものがあるけれど、ハッシャバイのようにどんちゃんできる楽曲があるのもすごく嬉しい。最後は日曜日のチポラでしっとりとシメ。あー、終わっちゃったー…。
ライブが終わってあっという間に緊張感が解け、それと同時に停止していた胃も再起動がかかる。お酒を入れるとすぐに酔いがまわりあっという間にグダグダな状態に。4/1は大須GUIROせんせいのワンマンがあるとかで、行きたいのはやまやまだけど、次の楽しみは東京まで取っておこうと思うのよ。

青山陽一田中拡邦(MAMALAID RAG)

お酒のせいで程よく緊張感が取れたようで、ようやくあたくしも本領発揮(おせぇ)
ママラグ田中氏による5年ぶりの「春雨道中」「目抜き通り」は、思っていたものよりもすごく良くて、えらくときめいてしまった。
青山陽一氏による「休符を数えて生きるのは」「月曜のバラッド」「難破船のセイラー」などの名曲に加え、「4D Raven」に至ってはメロディが耳に入るなりテンションが急上昇。この2人でその曲歌っちゃうのかいと。これはとても嬉しかった…そんでもってかっこよかった。過去に田村玄一氏コーラスの「4D Raven」で落ち込んで帰った日とはえらい違いだ…。私の前に立ちはだかる壁はあまりに厚かった(そして暑苦しかった)
中原由貴さんがとてもかっこよくて、彼女といい以前見た中北裕子さんといい、ハンサムな女性ドラマーの方にはどきどきしてしまう。
今日のライブはあれだな、GUIROたかくら氏、ママラグ田中氏という綺麗どころがひとつの空間に集まっているせいか青山陽一氏が普通のおっさんに見えるものでとても困った。
ライブ後はお酒を飲みつつ、ひたすら恐縮なことがたくさんあって逃げるように今池TOKUZOを後にする。楽しくて面白くて変わっていてなんとも一言では言い表せない一日。すげぃ土地だぜ名古屋。